高校
明治学院大学の先生による高校3年生への講義「教養原論」を行いました<第6回>
10月24日(金)、推薦進学コースの高校3年生を対象に、明治学院大学国際学部国際キャリア学科 Alexander Vesey教授による「教養原論」の講義が行われました。「『国民の想像されたコミュニティー』による『他者』のイメージ作りとグローバル化におけるTransculuture(越境文化)の関係」というテーマでお話しいただきました。
生徒の意見・感想を紹介します。
- 想像された共同体(imagined community)について深く考えさせられました。実際には一人ひとりが違う背景や考えを持っているのに、私はまさにそのように無意識に自分の先入観で人を想像してしまうことに気付かされました。多様性が重視される今だからこそ、改めなければいけないと感じます。グローバル化が進む現代は、多様な文化を理解し他者と向き合うチャンスでもあります。私たちはこれまでのような共同体の想像を見直し、新しい形でのコミュニティの想像が必要とされていることを学びました。私は国際キャリア学科を志望していて、大学では教員や学生が多様な文化的背景をもつ環境にあるので、より考え方を新しくしたいと思いました。これからは、多様性を大事にして新しい形のつながりを築き、国や文化の枠を越えて他者と向き合う姿勢を大切にしたいです。
- 学校教育を通じて、国の歴史や文化、価値観、政治制度などを教え、国民としての誇りや責任感を育てる。また、テレビや、ラジオ、新聞、インターネットなどのメディアを通じて、国家の政策や成功事例を紹介し、国民としての一体感や団結を促進させ、祝日や記念日の行事を通じて、国民が共通の経験を持ち、国に対する愛国心を育てる。そして、国民が守るべき法や社会規範を通じて、国としての秩序や共通の価値観を浸透させ、国家の指導者や象徴的な人物を通じて、国民に対する精神的な結束を呼びかけることが大事であると考える。
国民の意識が他者の感覚を生むことはそれぞれの文化の独自性を尊重し、他者を理解することが大切であるが、事情によって自分の国家の特徴や他国民との違いを強調して排他的に他者として見てしまう例も歴史上にたくさんあるということを知った。 - 今回の講義は先生のユーモアが溢れるものだと感じられました。私が今回の講義で特に印象に残っているのは、世界というのは想像された共同体であるという点です。一つの国家内に住む人々は、互いに知らない相手であっても、同じ文化、言語、信念、法律、政府、世界観を共有していると想像するはずで、一つの共同体に属していると信じるようになる。まさにこの通りだと心から実感しました。例であげられていたそれぞれの文化の独自性を尊重することこれは大切なことである一方で、事情によって自分の国家の特徴であったり、他国民の違いを強調して排他的に他者としてみてしまうことがあるということが何より共感できました。今から80年前の日本であるのであれば日本人とアメリカ人は敵国であったのはもちろんのこと、互いに違った教育を受けて相手の尊重など微塵もない状態で教育されていたと考えると非常に感慨深いものであると感じました。