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高3アカデミックリテラシーで明学大の先生による講義「教養原論」を行いました<第2回>

10月2日(金)5・6時間目、高校3年生推薦進学コースの授業「アカデミックリテラシー」で明治学院大学文学部教職課程教授の石井久雄先生が「教養原論」の講義をしてくださいました。

「教養原論」全体の講義テーマ「『他者』と向き合う」を元に、“「子ども」と向き合う~人文学からみた「他者」”と題して講義が行われました。生徒たちはまず、「昔の子どもと今の子ども」「友だち関係の変化」「ネットでつながる友だち」に関する講義を受け、項目ごとにグループで意見を出したり、それぞれの現状を話し合ったりしました。「子ども」についていろいろと考えたようです。

生徒の意見・感想を紹介します。

  • いくつかの写真を比較すると、その時代の背景やその子どもの時代的な役割が詳しく描かれていることがわかりました。SNSが発達したため利便性はあるが、引き換えに問題も起こっていることを念頭に、共存していくために日々注意しながら使用しようと思います。そのために一歩立ち止まり、視野を広げたいです。
  • 人文学から見た「他者」ということで、時代区分でみた子どもや学校での友達関係など、自分にとってもとても身近な内容に触れた。他者と関係を持つのは難しいと思いつつ、人間とは不思議な生き物だとつくづく感じた。
  • 昔の子どもと今の子どもでは、育った環境や生活環境が異なっていて、今の子どもたちは昔よりはるかに自分の時間を持っていると改めて実感した。また、今回の講義で初めて知った「三間の喪失」については確かに、今の子どもたちは昔より、一緒に遊ぶ時間・空間(公園など)・仲間(少人数化)が減っているなと感じた。今まで考えたことがなかったが、振り返ってみると今では子どもが好きなように生活でき、かなり自由になったと感じた。
  • 現代の子どもの特徴は、周りの人と関わる力が弱ってきていることだろう。インターネットで世界中の人たちと簡単につながることができるので世界が広がったように思うかもしれないが、実際は電子機器がなかったころよりも小さな世界の中で生活するようになってきていると思う。
  • 3点の概念のうち、対立しないようにお互い気を使いすぎる「過同調」が現代の私たちの友達関係に最も当てはまると思った。また、通信技術の発展によりネットでの交友関係を作ることも可能になったが、SNSが発展することで以前よりもトラブルが起きやすくなったということを改めて実感した。今回は人文学の中での他者を学んだが、最初には「消費者」のワードが出てくるなど、文学だけでない他分野の知識も必要であると分かった。比較する時に時間軸や空間軸を中心に考えたり、色んな学問の知識を活用したりすることで多方面から物事を考えることができた。
  • ネットで自分をさらけ出せるというメリットがある一方で、本当の自分がわからなくなるようなデメリットがあることも分かった。良い面、悪い面、両方を知ることが大事なのだと考えた。
  • 今の私たちや友達との関係には、昔からの流れが深く関係しているんだなと強く感じた。インターネット環境は今を生きる私たちにとっては当たり前になっている。友達のグループの集まり方は、昔の人は対面での会話で繋がることが多いことから、ネタで集まるグループ作りが多いのだと気づくことが出来た。
  • 学校や部活での「リアル」な自分と、素性の知れない人に向き合うネット上での自分との乖離が広がっている事象が特に印象に残っている。そのように社会的背景の変化によって移り変わってきた子ども、若者文化を更に複雑化させる現代の情報社会では、自己の再定義が肝要であると考えた。
  • 親に友達関係で相談する際、上下関係について説明するが全く通じない。その背景には、時代ごとに友達の構成が違うからだと発見することができた。
  • 最近twitterを使うようになった。最初は同じ趣味の、みず知らずの人と繋がることで、共通の話題があり楽しく友達をたくさん作るのが楽しかった。しかし今となっては相手と自分の思考が合わないことがあり、距離を置いている。授業を受けたことで、SNSでの繋がりは自分にとって必要か考え直すべきだと感じた。
  • 今と昔の違いについてたくさん考える機会となった。今までそんなことを考えることはあまり無かったので、とても面白い経験だった。
  • 私たちに必要なことは、身の回りのことを少し立ち止まって考えること、気になったことを深掘りしてみること、比較や相対化すること、異なる視点から見てみること、つまり高校時代の勉強がとても大切だと学びました。
  • 主に昔と現在の子どもの違いについて学んだ。焦点が自分たちと同世代の人達で、様々な質問があったりグループで意見交換をする場面があったりしたので身近なこととして考えやすい講義だった。昔の子どもは学校から帰ると家の手伝いをしており、「生産社会」の中にいたが、現代ではそれから解き放たれ、「消費社会」の中を生きているということにとても納得がいった。