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高3アカデミックリテラシーで明学大の先生による講義「教養原論」を行いました<第2回>

10月1日(金)5・6時間目、高校3年生推薦進学コースの授業「アカデミックリテラシー」で、明治学院大学文学部芸術学科教授の長谷川一先生が「教養原論」の対面講義をしてくださいました。

「教養原論」全体の講義テーマ「『他者』と向き合う」を元に、 “「わたし」は「他者」でできている”をテーマとした講義が行われました。生徒たちは意見を聞かれ、まずは意見を出すことが必要だということを実感したようです。また、「わたし専用あいさつ」について考え、お互いに自分のあいさつが伝わるかどうか、そして「わたし」の「わたし」らしさについて考えました。

生徒の意見・感想を紹介します。

  • 「わたし」は他者でできていて、どの言語を選んでどう組み合わせるのかによって独創性、「わたし」の「わたし」らしさがつくられることを学んだ。「わたし専用あいさつ」の考案を通して、私は自分の名前の漢字をイメージしたものを考えたが、表現する難しさを感じた。また、他の人の意見を聞き独創性、個性について考えさせられた。「他者」を土台にどれだけたくさんのことを学ぶか、その学びが多いほど選択は増えると学んだので、知識の積み上げを土台にわたしなりのものの見方ができるようにしたい。
  • 先生に質問を投げかけられた時に生徒が誰も答えないと授業が全く進まず、大学では自ら進んで発言する意欲が大切であると感じた。自分なりの挨拶では人それぞれの個性的な挨拶が非常に面白かった。個性を自由に表現しやすい世の中になればいいと思った。
  • 勉強には知識の積み上げとものの見方の2タイプがあり、ほとんどの学問はこの2つの側面を併せもつが、その比率が異なる。知識を積み上げることでものの見方が変わると聞き、今は見方を変える力を身に付ける準備期間だと考えた。以前から自分の話し方や言葉が他者からの影響を受けていると感じ、自分の独自性とは何かと考えていたが、今回の講義を聞いて、組合せが独自性を発揮するのだと知ることが出来た。
  • 他者は自分の内側にいる、というのは現代文の授業で扱った「他者の声 実在の声」と通じるものがあり、非常に興味深い講義だった。私自身が他者でできているというのは考えれば考えるほど理解し納得するのが難しいと感じた。「わたし専用あいさつ」は既存のポーズを組みあわせているのにどうして私が表現できるのか?という問いを考え、なかなか自分の答えを出すことができなかったが、同級生の意見を聞いて納得した。
  • 今までやってきたことの全てに意味があり、失敗したことも、無駄だと思ったことも、どんなことにも意味があるのだと改めて感じました。
  • わたしとは他者が形成しているというテーマについて、逆説的なものを感じた。しかし講義を聞くと、確かにその通りだと思った。流行やテレビ番組、自分を取り巻く建物も、もっと言えば自分の言動すらも他者が形作ったものという定義の中で、わたしらしさを見つける。そのことこそが自我を保つ上で重要なことだと思った。しかし、このわたしらしさは追求すればするほど迷宮入りする命題だろう。わたしは思考力が未熟だが、その中で考えられる自分の中のわたしらしさを見つけたい。
  • 「自分と、周りにいる他者」ではなく、「自分と、自分を形作っている他者」という構成で成り立っているのだと知った。個人のすべては他者によって、他者からの影響によって、できているのはわかった。けれども、人の感情はどこからきているのかと疑問を抱いた。感情は、周りの人から「試合に負けたら悔しいんだよ」とか、「人から感謝されたら嬉しいんだよ」と言ったように手取り足取り教えられてわかるものでは無い。感情は、誰かから影響されてできるものでは無いから、感情は個人の個性だと思う。
  • 自分らしさというのは選択と組み合わせによって表すことが出来る。多くの「他者」の中からどれを選択し、どのように組み合わせるかがとても重要になる。よって「わたし」を織り成す「他者」こそが「わたし」の基盤となり、「わたし」は他者の中に入ることによって成り立つ。私は今回の講義を聞いて、自分らしさの本当の意味を学ぶことが出来た。そして私たちは今まで積み重ねてきた歴史や技術などの「他者」を大切にすべきだと思った。
  • 自分が日々使用している言葉や動きは他人のものであるから、自分は他人でできているという考えはすごく納得できたし、面白かった。また、「あんぱん」の起源の話などを聞いて、あらゆる言語やモノの起源をたどって調べてみるのも面白そうだなと思った。
  • 今まで他者について深く考えたことはなく、「私」と「他者」の関係性はあくまでも内か外かという大まかな括りでしかないと考えていた。しかし私たちが「私らしさ」を表現しているのはほぼ先人たちが生み出した知識や自分以外の誰が創ったものから影響を受けているだけであり、その組み合わせ方に各々の独創性、「私らしさ」が生まれるということを考えると、「私」の内側には常に「他者」がいてとても影響を受けていると思った。また、組み合わせによる独創性を伸ばすためにも知識を得ること、勉強することが大事だとわかった。