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高3アカデミックリテラシーで明学大の先生による講義「教養原論」を行いました<第7回>

11月12日(金)5・6時間目、高校3年生推薦進学コースの授業「アカデミックリテラシー」で明治学院大学社会学部社会学科教授の石原俊先生が対面で「教養原論」の講義をしてくださいました。

「教養原論」全体の講義テーマ「『他者』と向き合う」を元に、「他者を知るための社会調査-質的調査を中心に-」と題して講義が行われました。生徒たちは社会調査と、調査の様子について話を聞きました。社会学から見た他者の存在や、「社会調査」を身近に考えるきっかけになったようです。

生徒の意見・感想を紹介します。

  • 街中やネットなどで消費者や顧客目線での調査をしているのを見かけていて、そのような調査方法しか知らなかったので、今回たくさんの調査方法を知ることができた。また、調査の途中で目的を見失ったら、仮説までも変えていいということに今回一番驚いた。「仮説をもとに実験や調査を進めていくもの」という概念があったからこそ、柔軟に物事を考えていっていいことがわかった。
  • 私は色々なことに対して肯定的なため、新しい案を出すことが難しい。しかし、これからはニュースなどを見て肯定的、批判的にいろいろなことを考えていきたい。また、考えたことを口に出すことで、世の中が少しでも良い方向に進むかもしれない。たとえ間違っていたとしても、口に出す行為が大切なのだとわかった。今後、周りの目を気にせずに勇気を出そうと思う。
  • 今までテレビのニュースなどで小笠原諸島や硫黄島の名前は聞いたことがあったが、ほとんど何の知識もなかった。小笠原諸島が船で1日がかりで到着するということに驚いた。硫黄島は映画で見たことがあったので戦時中、戦争の舞台になっていたという事を知っていた。しかし戦争以前は人々が暮らしていて、戦争の生存者がほとんどいなかったという事は知らなかったため良い学びができた。
  • 歴史に名を残している芸術家や思想家などの偉人は、人とは違った視点、切り口を持っているから歴史に名を残す発見ができる。そして、周りからは変人として見られてしまう。人と違った視点を持つことはとても勇気があることだ。だがしかし、それを乗り越えられた人が歴史に名を残せるのだと思う。
  • 社会学的調査が不平等性への批判的態度を持ち、社会をよくするために誕生したことを知り、身近に感じられた。また、真実を明らかにすることではなく、妥当性のある事実を明らかにすることが目的と学び驚いた。調査者と被調査者ではなく、対等な関係になることで自然に集まるようにしたデータはとても信用できるし、人との関わりの中で行う調査は素敵だと感じた。
  • 社会調査による他者を知る方法は、他者というテーマの原点のような気がした。今、調査の対象が当たり前のように多様化しているのは、貴族が中心にいる資本主義の世の中で、自分の地位や名誉を投げ捨ててまで社会問題を追究し、声を上げ続けた人がいたからだと思った。社会調査とともに、得られる結果から徐々に社会問題や構造、法律までもが整ってくるというのは面白いなと感じた。
  • この世界には、貧困ゆえ暮らしが困窮している人たちがいる。その人たちを知るために、私たちは行動を起こさなければならない。今ではボランティア活動している人たちがいるが、国全体で暮らしに困っている人たちを助けられるような制度が作られてほしいと思った。
  • 社会調査が元々は社会を良くすることを目的として行われたものだと知った。主流の考えや説を否定的に見るということはなかなかできないことだ。最近ニュース等で制服の多様化が取り上げられているのを見て、現在私たちが当たり前だと思っている考えや常識もいつか変わっていくのだろうと思った。そして、その常識を変えていくにあたって社会調査が必要になるのだろうと考えた。
  • 調査をすることは他者を知るということに繋がり、それが様々な発見を導くのだと思った。「調査は妥当性のある事実は明らかに出来るが、真実の確定は出来ない」という言葉が講義で一番印象に残った。真実はその人が感じることで生まれ、調査はその真実にたどり着くための道しるべとなる。私たちの世界にはまだ多くの人たちに知られていないことがたくさんあるが、調査を続けていけば、多くの人が他者を知ることになると感じた。
  • 今回の授業は戦争を知らない私にとって、とても有意義な時間になった。実際の戦争経験者が今では少ない中で取材を続け、後世に残そうという姿勢が心を強く動かした。やはり、社会学部は幅が広く、自分がやりたいことが大学で見つけられそうで、新しい未来に向けて頑張るのにぴったりの学部だと感じた。
  • 研究する上で社会調査が重要なのは知っていたが、その調査の種類が調査方法によって何通りにも分けられることは初めて知った。また、社会的地位の高い裕福な社会学研究者が、社会的地位の低い者の秩序に目を向けることは、新しいことがらを発見する重要な行動だと思った。自分の暮らしが豊かだからと満足せずに他階級の生活にも目を向け、そして詳しく調査してこそ、本当に社会を知ることが出来たのだろう。
  • 今回、実際どのような調査をして研究を進めていくのかを知った。また、調査方法の歴史を見ていくことで、その調査の元々の目的や効果を詳しく知ることが出来た。そして、調査のおかげで法律が作られ、政策が掲げられたということからも社会調査の影響の大きさが分かった。授業でおすすめされた本を読んでみたい。
  • 様々な他者の意見を聞いて多角的に物事を分析し、考察していく事の大切さを改めて学ぶ事ができた。これからも物事を様々な視点や角度から捉えて、他者と意見を積極的に交換していきたい。