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高3アカデミックリテラシーで明学大の先生による講義「教養原論」を行いました<第2回>

10月7日(金)、高校3年生推薦進学コースの授業「アカデミックリテラシー」で、明治学院大学心理学部心理学科教授の伊藤拓先生が「教養原論」のライブ(オンライン)講義をしてくださいました。

「教養原論」全体の講義テーマ「『他者』と向き合う」を元に、「心理学からのアプローチで 他者をどのように理解しているか? 理解していくか?」と題して講義が行われました。生徒たちは、各自が心理実践力をアップするための課題に取り組み、他人の考えたことについて発表を聞くことで、どのように他者を理解していくかを考えたようです。

生徒の意見・感想を紹介します。

  • 他者への理解には、「先入観」が深く関わっている。その先入観に、すでに自分が持っている知識、「スキーマ」が影響を及ぼしている。スキーマというフィルターが他者と自分の間に存在することで、他者理解が歪んでしまうのだ。そのことが、他者に対する偏見的態度に繋がる。その例が、障害を持った方々への偏見、差別である。それは、対象についての知識の欠如や、関係を持つ機会が無いことが要因となっている。全体として見るのではなく、「個人」を見ることが対等な関係を築く一歩だと分かった。スキーマから脱却することは難しく、おそらく出来ない。スキーマの存在を正しく認識し、その上で相手と対等に向き合えるように心がけることが大切だ。
  • これまで、何か問題があった時や人が悩んでいる時にどこがだめだったか、何ができていないのかなど、問題ばかりに焦点を当ててしまっていました。これからは強みや得意なこと、好きなことに焦点を当てて解決をしていきたいです。
  • 障害のことについて正しい知識を持っていなければ、障害者に出会った時うまくコミュニケーションを取ることができないと思います。改めて他者を理解するというのは難しいことだと感じました。
  • スキーマや偏見というものが私たちの内側に存在していることを改めて認識し、先入観に縛られて考えてしまいがちな自分がいることに気がつきました。確かに過去を振り返ってみると、一度苦手だと思ってしまった相手がどんな行動をしていても全て悪く捉えたり、マイナスに受け止めたりしていた経験がありました。あらかじめ歪んだ理解をしている前提で物事を考えるというのは大切だと感じました。
  • 心理学は人と社会を幸せにする学問だと聞き、データ分析で人を科学的に理解する学問と解釈していたので、心理学について理解が足りていなかったと感じた。
  • マイナスのイメージが拭えない人が存在することは仕方ないが、その人の良さや強みに焦点を当てることで今よりも正しく理解し、イメージを変えられるかもしれないと知りました。「この人とは合わないな」と思っても、「合う部分や似ているところがあるかもしれない」という意識を持ち、スキーマに惑わされない人になりたいです。
  • 精神障害者に関して、初めは「怖い」というイメージを持っていました。しかし、動画に出てきた方々は、しっかりと自分の考えを持っている素敵な方々でした。偏見が生まれるのは対象について無知だということや、表層的接触のみで個人的な接触がないことが原因と学び、正しい知識を持つことを意識していこうと感じました。また、問題ではなく解決に焦点を当てて考えていくことは、障害や精神的に悩んでいる方々が社会復帰できるようになる方法としてとても良いものだと感じました。
  • 第一印象は9割が外見と言われるように、人間は先入観に強い影響を受けて思考している。偏見を持たぬようさまざまな情報をもとに熟考するように心がけているつもりではあるが、講義で自分も偏見的態度を生む要因を持っていることに気付かされた。肯定的な面ばかりを見ようとすることは難しいが、それによって思考が変化し偏見を少しでもなくすことができるよう、自分のため、周囲の他者のために努力したい。
  • 「心理学は学ぶだけでなく活用することが大切」という先生の言葉に納得しました。ソリューション・フォーカスト アプローチの考えは、現代の「褒めて伸ばす教育」に似ていて、たくさんの場面で重要視されていると感じました。大人になればなるほど自分の考えが正しいと思ってしまうので、間違っている可能性があるということを認識できるよう心がけます。
  • 相手のことを知らないということと、想像だけで判断し個人的な付き合いがないことが偏見の要因だと分かり、相手との差異や異質性を認めていくことが大切だと思いました。相手の良い点に焦点を当てることで、長所がより伸びるということが分かりました。これからは相手の素敵なところに焦点を当てて引き出せるようになりたいです。