お知らせ

高校

高3アカデミックリテラシーで明学大の先生による講義「教養原論」を行いました<第4回>

10月21日(金)、高校3年生推薦進学コースの授業「アカデミックリテラシー」で、明治学院大学国際学部国際キャリア学科教授のトーマス・ギル先生が対面で「教養原論」の講義をしてくださいました。

「教養原論」全体の講義テーマ「『他者』と向き合う」を元に、「マック学 マックドナルド・ハンバーガーの社会人類学」と題して講義が行われました。歴史や文化、役割など、さまざまな視点が持てることを学びました。生徒たちは身近なマクドナルドについて知り、考えたことで、他の事柄についても多角的に見ることができると考えたようです。

生徒の意見・感想を紹介します。

  • マクドナルドに魅力を感じたと同時に、さらに別の企業についてもその社会的、政治的な側面におけるメリットやデメリットについて深く調べたいと感じた。マクドナルドがなぜこれだけ多くの人に、そして様々な境遇に置かれる人に愛され続けているのかを、戦争や文化に絡めて教えてくださったので、興味深かった。マックは貧困層のホームシェルターになる、非正規雇用者が賃金を得る機会を作るなど、食事を提供する以外の社会的な役割を知ることができた。
  • マックの話だったので親近感が湧いて面白かった。友達とマックで長話をするとき途中でお尻が痛くなるけれど、それが長居させないようにする戦略だということがわかり、余計に居座りたくなった。外国人の店員が多いのは、店員として話すことが少ないからというのは何となく想像できたが、自分の国で働くと他の国でも働きやすくなるのを知って、いい制度だと思った。
  • 私にとってマクドナルドは、いつでもどこでも近くにあり、手軽に食べられるいい存在で、健康面は自らの責任です。毎日3食同じものしか食べなければ、何を食べても不健康になるでしょう。独自の食文化が廃れてしまうという意見がマクドナルドを批判する理由の一つになっていましたが、文化はそのように簡単に廃れるものではないと考えます。気候や環境に適したそれらの食文化はそれぞれの魅力があり、いつでもどこでも変わらないマクドナルドより彼らの舌に合うのではないでしょうか。意識的に食文化が淘汰されなければ、簡単に消えてしまうとは思いません。
  • ロシアにとってマックは資本主義の味だったということが印象的だ。マックのスマイル無料は、当時のロシアではスマイルは少し変に思われていたとわかった。
  • 資本主義の印であるマクドナルドが日本に来たことが、日本のアメリカ化の証である。その影響で、多くの店が同じようなマニュアル通りの接客で質よりも量、能率性と同質性をとっていることに気づかされました。また、今の社会がどれだけ日本文化を失い、アメリカに寄っているかに驚かされました。今まで何気なく利用していたマクドナルドの影響の大きさを学びました。
  • 「米国の文化支配?食文化はマック、映画界はディズニー」という言葉と、今ロシアにあるマックはゼロであるということを聞いた時、社会とこんなにも密接に関わっていることを感じました。
  • 日本のマクドナルド一号店は銀座三越店であり、今の「庶民的、リーズナブル」という印象からは真逆の、「裕福な、贅沢品」という印象であった。「マックがある国同士では戦いは起こらない」という考え方は、今年勃発したロシア・ウクライナ戦争が例外となってしまったが、納得の出来る意見だと思った。マクドナルドの反対論には、健康面の問題だけでなく、経営スタイルが社会全体にも影響を与える‘’社会のマック化‘’という影響もあることを知った。一方で支持論としては、ある程度豊かな国の貧困層の逃げ場の役割を担っている、というところもある。マクドナルドの背景には沢山の繋がりがあることを学んだ。
  • 普段何気なく食べていたマクドナルドのハンバーガーを多角的に見ると、これほどまでにさまざまな意見や見解が生まれ、賛否が分かれるということには驚きを覚えた。現在ロシアによるウクライナ侵攻によって社会主義的思想と資本主義の溝が浮き彫りになっているが、マクドナルドのロシアからの完全撤退のような世界的大企業の影響力が、さらに溝を深めているようにも窺える。世界経済を多角的に、かつ広角的に捉えたいとあらためて感じた。
  • ビッグマックは資本主義の象徴であり、世界の食文化をも変えつつあることからマックの世界への貢献や影響力は多大なものなのだと感じました。Fred Manの「マックが出店している国同士は戦争があり得ない」という言葉からも、多くのことの指標になっているマクドナルドの影響力を知りました。それ以外にも、禁煙運動などに積極的に取り組むことや、ホームレスのシェルターになり手助けをするなど多くの貢献を行っており、企業の中心となっているのだと学びました。しかし、その反面多くの反対論も存在しており、健康面については私たちも考えていかなければならないと感じました。日本の食文化を大切にしつつ、マクドナルドをこれからも楽しみたいです。
  • それぞれの文化や食事を持っているけれど結局食事の形態は一緒になっていくという言葉が心に残りました。確かに、日本は敗戦してからアメリカという大国に依存しているし、マクドナルドの店舗数が世界で2位という結果にも現れています。マクドナルドに行く時に何も考えずに食事をしていたけれど、受け取りやゴミの分別を自分で行ったり、どこの国に行っても安心して食べられるように同一のものを作ったりとマクドナルドに利益があるように仕組まれていることに鳥肌が立ちました。